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バイオガソリン ~いいことずくめではない~

2007-04-27 [記事URL]

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バイオエタノールを混合したガソリンの試験販売がスタートする。10年度までに全国で発売される予定だ。地球温暖化対策の一環だが、問題もある。

トウモロコシやサトウキビなどの植物は二酸化炭素(CO2)を吸収して成長する。こうした植物を原料としたエタノールなどバイオ燃料を燃焼させても、そこから出るCO2は京都議定書で定めた削減対象とはならない。

 政府は10年度に原油換算で50万klのバイオ燃料を輸送用に導入する計画だ。このうち21万klを石油業界が供給することになっている。

 バイオエタノールを混合したガソリンは沖縄などで利用が始まっているが、27日からは首都圏の50ヶ所のスタンドで試験販売がスタートする。10年度にはガソリン販売の2割がバイオガソリンになるという。

 試験販売するバイオガソリンの混合比率は3%。性能や価格もレギュラーガソリンと同じで、使用する自動車も改造など特別な措置は必要ない。しかし、バイオ燃料はいいことずくめではない。

 混合は製油所で行うETBE方式と、直接ガソリンと混ぜる方式がある。石油業界は現在の石油の流通形態を維持しようとETBE方式を主張しているが、バイオ燃料の混合率を高めるのが難しいとして直接混合方式の導入を求めている環境省と対立している。

 ブラジルなどで燃料用のサトウキビの使用が拡大した結果、砂糖価格が高騰したのに続いて、トウモロコシの価格が急騰している。米政府はガソリンの年間消費量を10年間で20%削減する目標を掲げ、代替燃料となるエタノールなどバイオ燃料の増産を促しており、この結果、トウモロコシの価格が急騰している。

 トウモロコシが主食のメキシコでは、価格急騰に講義して大規模なデモに発展している。日本でも飼料が値上がりするなど影響が出ている。農産物の増産には限界があり、その中でバイオ燃料用の消費が拡大すれば、特に貧しい国では食糧不足が深刻化しかねない。森林の伐採など自然破壊につながる可能性もある。

 米大統領選挙の勝敗を決する役割を果たしたオハイオ州は、コーンベルト地帯にある。米国のバイオ燃料ブームは選挙対策という政治的な要素も帯びている。欧州などでも余剰農産物対策からバイオ燃料の利用拡大が始まっており、エネルギー政策に便乗した農業対策の側面が強い。

 世界最大の食料純輸入国の日本は欧米とは事情が違う。バイオ燃料の自給は難しく、欧米並みの水準に利用を拡大するのは容易ではない。

 バイオ燃料はCO2排出の抑制という点からは望ましい。しかし、それに伴う弊害もある。廃材や枯れ草などを利用したバイオ燃料の研究を進め、食料用の農産物の大量消費につながらないようにすべきで、それが可能になるまでは、バイオ燃料の利用拡大には慎重に対応すべきだろう。


「国連、環境が最優先課題」

2007-04-11 [記事URL]

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国連事務局№2で女性のアシャローズ・ミギロ副事務総長(50)は9日、毎日新聞との会見に応じ、バン基文事務総長の下で環境、気候変動問題を優先課題として取り組む姿勢を強調した。その上で、12年に期限切れとなる京都議定書後の対応を協議する首脳レベルの会合開催などに向け、国連が各国と調整を進めていることを明らかにした。

ミギロ氏は2月に着任したが、日本メディアとの会見に応じたのは初めて。同氏はまた、ノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイさん(ケニア)と毎日新聞が05年から共同で進めている環境保護活動「MOTTAINAI(もったいない)キャンペーン」について「そうした概念はタンザニアにもある。MOTTAINAIの理念をよみがえらせ、多くのアフリカ諸国にも広げてほしい」と評価した。

ポスト京都議定書の対応については、欧州などから、来年9月の国連総会に合わせた首脳会合開催を目指す動きが出ている。ミギロ氏は「協議は進行中」としながらも、「首脳会合になるかは別として何らかの対応は取られるだろう」と述べた。一方、仏などが求める国連環境計画(UNEP)の強化や新環境機関の創設については「加盟国の間にさまざまな意見があり、意見集約が重要だ」と指摘するのにとどめた。

ミギロ氏は祖母が食事の残り物を次の日のために暗所に保存していたことや、タンザニア人が再利用可能な買い物かごや風呂敷に似た布を使っている点を挙げ、「(MOTTAINAIキャンペーンは)自然な姿に帰るということ。素晴らしい考えだ」と強い共感を示した。


豪、温暖化に力 ~民間主催 家屋・ビル一斉消灯も~

2007-04-02 [記事URL]

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オーストラリアが地球温暖化対策に力を入れている。シドニー市内では31日夜、民間団体の呼びかけで1時間にわたって家屋やビルの電灯が一斉に消された。環境政策を推進するハワード首相は同日、9月に同国で行われるアジア太平洋経済協力機構(APEC)首脳会議の最重要議題として、温暖化対策を取り上げると発表した。

この日午後7時半から1時間、シドニーで行われた消灯イベントには、約5万5000軒の家屋や企業、商業施設などが参加。観光名所のハーバーブリッジとオペラハウスの照明も消え、中心部は”暗闇”に包まれた。

豪州は国内電力の9割を石炭火力に依存し、国民1人当たりの温室効果ガス排出量が世界最大規模といわれている。その温室効果ガスの削減義務を先進国に課す「京都議定書」への参加を見送ったハワード政権が最近、環境政策を積極に打ち出している。

2月には、2010年までに家庭や企業の白熱電球を医療用などを除き廃止し、電力消費量の少ない蛍光灯タイプに切り替える方針を世界で初めて表明。3月には、温室効果ガスの削減につながる植林事業などを対象とした基金(2億豪ドル=約190億円)創設を発表した。森林破壊が進む東南アジアなどを支援する。

ハワード首相の政策転換の背景には、昨年から記録的な干ばつが続くなど国内が異常気象に見舞われているという事情がある。また、環境政策への国民の関心も高まっており、今年後半に予定される総選挙で大きな争点に浮上するのは確実で、野党の労働党に対抗する狙いもある。

クリーンなエネルギーとして原子力発電所が世界的に注目される中、その燃料となるウランの輸出拡大(ウラン埋蔵量は世界一)を図ろうとする戦略も指摘されている。ハワード政権は国際社会の環境政策をリードするためにも、9月のAPECの場を利用する考えだ。


簡易包装⇒ゴミ減量 ~神戸の実験で成果~

2007-03-30 [記事URL]

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簡易包装の商品を積極的にPRして消費者に買ってもらうことで、ごみ削減につながるのでは―。そんな全国初の大規模な実験「簡易包装を買おうプロジェクト」が先月、神戸市東灘区の六甲アイランドで繰り広げられた。その結果、簡易包装の商品の販売量が増加してごみの削減が見込まれたり、住民の環境意識に変化が生まれるなど、一定の成果が得られたという。

 プロジェクトを実施したのは、神戸大学の学生や社会人でつくる「特定非営利活動法人ごみじゃぱん」(代表=石川雅紀・神戸大大学院経済学研究科教授)。

神戸市によると、市民1人1日あたりのごみの量は平成16年度、政令指定都市の中で大阪市に次いで多かったという。また、阪神大震災の際に大量の廃棄物が出た経験などから、「現状を少しでも改めたい」という思いが強かった。

 だが、「ごみの分別やリサイクルというのは深層心理として、面倒くさいという気持ちがある」と石川教授は指摘。環境意識の高い人でも、「やらされている」という感覚があると分析する。

 根底には、ごみ問題に対する知識や情報の不足があるのではないかと考え、ごみに関する情報を積極的に提供しながら、ごみの発生を抑制する仕組みを作ろうと、プロジェクトを企画した。

 実験では、六甲アイランドにある「コープこうべ六甲アイランド」に協力を依頼した。まず、ごみじゃぱんのメンバーが、店内にある商品のうち、「個別包装なし」「トレーなし」「外箱なし」など、独自に考案した簡易包装商品の基準をクリアした食品や日用品など280点を推奨商品として認定。それぞれに、認定理由などを書いた説明文をつけて、消費者に訴えかけた。

 また、店内にはポスターやのぼりなどを配置し、店員にもプロジェクトを宣伝するそろいのウインドブレーカーを着てもらい、ムードを盛り上げた。

 その後、2月1日から28日までの1ヶ月間の実験期間が終了した時点で、推奨商品について、そうでない商品を購入した場合と比較したごみ削減量を調べており、それらをあわせて計算したところ、コーヒーやレトルト商品など6ジャンルについては、計約7kg分のごみが削減できたという推計結果が出た。

 また、プロジェクト実施前後には、住民の意識調査なども行った。プロジェクトを知っていたのは81.6%で、期間中に簡易包装用品を購入した人は62.8%だった。

 買い物意識の変化を調べるため、「買い物の際にどんな点を重視していますか」と聞いたところ、プロジェクト実施前は、食品について「詰め替え用があること」を挙げた人が51.0%だったが、実施後には61.2%に。せっけんやシャンプーなど日用品では、67.4% から75.9%に増加。また、日常生活で環境問題に関心を持つ人も、51%から60%に増えた。

 石川教授は「プロジェクトは好意的に受け止められたが、消費者が商品を買うその瞬間に、きちんとメッセージが伝わったかどうかを考えると、課題は残る」と指摘するものの、「普通にものを買うだけでも、環境に貢献することができると考えてくれる人が増えたのではないか」と評価。また、「企業だけでなく、買う側にも責任があるという人も増えていた」と分析、実験結果に手応えを感じている。


野鳥から鳥インフルエンザ ~熊本 環境省、毒性を調査へ~

2007-03-19 [記事URL]

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環境省は18日、熊本県相良町で見つかった野性のクマタカから高病原性鳥インフルエンザ「H5N1型」を検出したと発表した。ウィルスの毒性などを判断するため、遺伝子分析などを実施する方針。

鳥取大学農学部付属の研究センターに検査を依頼していた。環境省は、クマタカが発見された周辺で、野鳥を捕獲したり、ふんを採取して分析したりしてウィルスの保有状況を調査する。

同省によると、問題のクマタカはメスの成鳥で今年1月4日、相良町で衰弱した状態で見つかり、捕獲後に死亡した。外傷がないのに衰弱死したため、鉛中毒や鳥インフルエンザの検査を実施していた。

熊本県農林水産部畜産課衛生防疫班の担当者は「宮崎で鳥インフルエンザが見つかったとき、熊本でも県内すべての100羽以上の養鶏場から毎週報告をもらい、異常がなかった」とした上で、「養鶏場には電話とファックスで注意を呼び掛ける」と述べた。


109都市参加「京都気候変動防止宣言」採択 ~脱温暖化 自治体主導で~

2007-03-14 [記事URL]

▼詳細
2月16日から3日間、「気候変動に関する世界市長・首長協議会(WMCCC)」(京都主催)が国立京都国際会館」(京都市左京区)で開かれた。加盟11カ国15都市で2005年に発足した協議会は、13カ国18都市に増えた。会議には未加盟も含め26カ国・地域の109都市や団体から約900人が参加、取り組みを紹介し、連携を図った。そして、加盟都市が、全ての国に温室効果ガスの大幅削減を呼びかけるなどの「京都気候変動防止宣言」を採択し、名誉議長の桝本頼兼京都市長らが発表した。

16日には開会式やパネルディスカッションがあった。

基調講演で西村六善・外務省地球環境問題担当大使は「化石燃料利用の効率化と削減を図らなければならないのは言うまでもない。削減が新しい価値を生む、というシステムを作る必要がある。そのためには、中央政府だけでなく、自治体、首長も主要なプレーヤーである」と述べた。

「自治体首長の国際・国内イニシアティブ」と題したパネルディスカッションでは、都市の役割の重要性が討議された。豪・メルボルン市のジョン・ソー市長は「豪州では、記録的な乾燥が続き、2005年には100㌶の森林が火災で失われた。主なエネルギーの消費地は都市部で、それが周辺部の砂漠化を生んでいる。都市が温暖化の主要な焦点と言える」と、都市の責任を強調。また、米・サンタモニカ市のパム・オコナー市長は「米政府は京都議定書を批准していないが、都市は違う。全国の40%の300の都市が、気候変動防止推進の自治体レベルの枠組みに参加し、情報交換や技術協力を行っている」と述べた。

一方、南北問題もテーマになり、知識や技術の共有と国際的な財政援助が議論された。ウガンダ・エンテベ市のステファン・カブエ市長は「排出量の3.6%しか占めていないアフリカが、最も深刻な影響を受けている。干ばつは貧困や飢餓のまん延に直結する」。会場から発言したナイジェリア大使も「サハラ砂漠は1年間に5~6㌔も進んでおり、多くの犠牲を生んでいる。しかし、森林資源を暖房などに使ってしまい、さらなる砂漠化を招いている。アフリカは太陽エネルギーは豊富にあるが、太陽光発電パネルはエイズ治療薬と同じで高価で手が出ない」と訴えた。

※採択された宣言
・あらゆる国に、京都議定書後の次期枠組み(2013年以降)交渉で、温室効果ガス排出量を、2020年までに1990年レベルから30%削減し、2050年までに80%削減する目標を設定するよう強く呼びかける
・政府に、再生可能エネルギーの促進、エネルギー効率の向上、省エネルギー技術の開発や総合的都市交通システムの構築等について、効果的な政策枠組み作りを促し、化石燃料への依存体質から脱却することを求める
・他自治体と協働し①パートナーシップを組み効果的な対策を推進する②気候変動が人々の健康やインフラに与える影響への適応策を強化する③経験と解決策を共有する④地域レベルで、気候変動が生物多様性、水、土壌、食糧生産などと相互関連していることを認識し、対策に取り組む
・他自治体にも、温室効果ガス排出削減の政策実行と目標設定を働きかける
・排出削減と地域経済発展戦略を統合させる
・自治体の事務事業と地域社会の双方で排出量を一層削減するとともに、今後、より積極的な排出削減目標を設定する
・より多くの自治体リーダーにWMCCCへの参加を呼びかける


新環境規制ドイツ苦戦 ~EU、CO2削減強化~

2007-03-09 [記事URL]

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ドイツ経済を引っ張る自動車産業が、欧州連合(EU)の厳しい二酸化炭素(CO2)排出規制に頭を悩ませている。排気量が多く、環境規制の直撃を受ける高級車こそ独メーカーの稼ぎどころだからだ。ハイブリッド車で先行する日本勢を横目に技術開発を進めながら、打撃を最小限にとどめるためEU当局への働きかけを強めている。

独ダイムラークライスラーのツェッチェ社長は6日、ジュネーブ国際モーターショーの会場で記者団に、「CO2の排出削減は支持する」と強調しつつ、「メーカーや車種にかかわらず一律に適用するのは誤りだ」とEUの規制強化にくぎを刺すのも忘れなかった。

ジュネーブショーでダイムラーは、環境に配慮した新開発のディーゼルエンジン車を発表。CO2排出が少ないディーゼルに力を注ぐ方針を鮮明にした。他のドイツ勢も、フォルクスワーゲン(VW)がエンジンの小型化をアピール。BMWは水素エンジン車を展示するなど、独自の環境技術を競う。

例年にも増して環境への取り組みを前面に打ち出している各社だが、EUの厳しい排ガス規制は頭痛の種。ダイムラーの収益を支える高級車メルセデスをはじめ、大排気量の車種で稼ぐ独メーカーにとって、技術開発だけではEUの新基準の達成は難しいためだ。

新しい規制はメーカーや国、車種ごとに同じ制限を適用するのかどうかといった詳細な点がまだ決まっていない。VWのウィンターコルン社長は6日、「フランスやイタリアのメーカーも打撃を受けるのは明らかだ」と述べ、各国のメーカーと協調し、負担が過重にならないよう欧州委に働きかける考えを示した。

大排気量の高級車への規制を緩め、排気量が少ない小型車を含めた欧州車全体でCO2削減を進めればよいというのが独自動車業界の本音だ。しかし、伊フィアットや仏プジョー・シトロエン、ルノーは小排気量の小型車が主力。業界団体の欧州自動車工業会内でも、各メーカーの意見は微妙に異なっており、独メーカーの悩みは深い。

さらに、エンジンと電気モーターを併用するハイブリッド技術で先行し、小型車に強い日本勢の存在も危機感につながる。欧州委員会の環境総局には、日本勢を燃費技術で先行させることで、欧州メーカーにいっそうの努力を促そうとする声が根強いからだ。

トヨタ自動車の瀧本正民副社長は「(利益が少ない)小型車だけでは企業としてはやっていけない。ビジネスとして成り立つ方策が必要だ」と述べ、独メーカーの立場にも一定の理解を示した。

※EUのCO2規制
EUの行政機関である欧州委員会が2月に提案した。自動車CO2排出について、現在はEU平均で走行距離1㌔あたり約160㌘の排出量を、エンジン性能向上によって2012年までに130㌘に削減する。さらに生物資源(バイオマス)燃料の利用やタイヤの改善、省エネ運転などを併用することで、120㌘まで減らす。


戦略アセス

2007-03-04 [記事URL]

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大規模公共事業などを実施する際、計画段階で環境への影響を調査する戦略的環境影響評価(アセスメント)のガイドライン案が環境省の研究会で了承された。同省は最終的には法改正を目指すが、当面はパブリックコメントを募った上で、正式のガイドラインとして導入を図る。

国際的には欧米のみならず、アジアにおいても導入している国がある。環境アセス後進国といわれてきた日本だが、ようやく国際標準に近付くことになる。

環境アセスメントは60年代末に米国で制度化された。日本でも70年代初頭から公共事業や発電所、新幹線などを対象に導入されたが、法制化は産業界や自民党の反対で97年まで遅れた。地方自治体も独自に導入した。ただ、この段階では実施することが決まった事業の環境への影響を調査するもので、多くの場合、事業を正当化する性格が強かった。

大規模事業が対象の環境影響評価法に基づくアセスメントも、計画決定された事業に限られるという欠陥はあるが、これまでに終了した78件について25件には環境相などの意見で、代償措置が取られた。環境影響を緩和する効果は出てきている。

だが、事業に伴う重大な環境破壊などが予測されても、事業アセスでは、計画そのものの見直しを迫ることはできない。戦略アセスはここに切り込もうというものだ。事業者は計画検討段階で住民や専門家の意見を聞きながら立地位置や規模などの異なる複数案を提示し、それをもとに環境省や自治体の専門家による審査会の評価も入れて計画を策定する。計画段階で事業構想の抜本的な見直しや中止もあり得る。

これに対して、電源立地を抱える経済産業省は反対の姿勢を崩していない。発電所建設が円滑に進まないことを危惧してのことだ。

戦略アセス導入の反対論としては説得力に欠ける。公共事業のみならず、公共性の高い発電所でも十分な環境保全は当然だ。環境への悪影響を抑えられる代替案があるとすれば、それを選ぶべきである。さらに言えば、電源立地ではこれまでに住民運動などの高まりで計画変更や白紙撤回となったところもある。

一方、構想段階で住民の意見を聴取するパブリック・インボルブメント(PI)といわれる制度を取り入れている国土交通省は受け入れの方針だ。

大型公共事業では環境破壊を引き起こした案件も少なくない。当初から無駄と指摘される事業もあった。PIは事業を円滑に進めていくための仕組みだ。戦略アセスが導入され、住民参加や専門家の関与が円滑に機能すれば、こういったことをあらかじめチェックすることができる。公共事業改革にも寄与する。

戦力アセスは国に先立って地方自治体で進んでいる。昨年決定された第3次環境基本計画にも制度化の検討が盛り込まれている。政府は早期導入の意思統一を図るべきだ。


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