春のおでかけ、虫に注意!① ~山ビル編~
2016-04-29 [記事URL]
皆様、こんにちは!
春になり、多くの人がキャンプやハイキング、登山などを楽しむ計画を立てているのではないでしょうか。
新鮮な空気や春の自然は私たちを楽しませてくれますが、そこには虫刺されによる健康被害などのトラブルもひそんでいます。
せっかくの楽しい思い出を台無しにしないためにも、危険をはらむ生物の特徴や生息環境を知り、被害にあわないための対策を確認しておきましょう。
二週にわたり、これから活動が活発になる虫「山ビル」「チャドクガ」についてお話しします。
●くっついて離れない!吸血する山ビル●
ヒルというと一般的に池や沼、川などの水辺に生息する姿を思い浮かべるかもしれませんが、
ヒルの仲間には、山林などの陸地に生息する山ビルという種類がいます。
登山やキャンプに出かけた先でヒルに血を吸われたとしたら、多くは山ビルのしわざでしょう。
山ビルの全長は約1.5cm、赤褐色で背中に黒い3本のタテジマがあり、しゃくとり虫のように移動するのが特徴です。血を吸うと8cm程度まで伸びます。
5月~10月が活動のピークで、山林でも渓流近くや雨上がりの山道など、湿っぽい場所には注意が必要です。
山ビルに目はありませんが、人間の呼気を感知するセンサーを持っているため私たちの存在には敏感です。
ひっそりと忍び寄ってきてすばやく服や靴の中に入りこみ、血を吸う際には痛みを感じさせない物質や、血液が固まるのを防ぐヒルジンという物質を分泌します。
そのため、人間に気づかれずに自重の10~20倍もの血液を吸うことができ、吸われた人は、ヒルジンのせいで出血が止まらなくなります。
山ビルが分泌する物質に毒性はありません。しかし、皮膚にはりつく山ビルの姿や、長時間出血が止まらない患部の状態に、はじめて被害を受けた人はパニックになるかもしれません。
人によっては被害にあった後、かゆみや咬み跡が残ることもあります。
●山ビルによる被害を抑えるポイント●
アウトドアで虫刺されによる被害を避けるためには、なるべく肌の露出を抑えるのが基本です。
虫よけスプレーは衣類だけでなく、靴下や靴にも吹きかけると効果がアップします。山ビルには、次のような対策を行うと良いでしょう。
・なるべく長靴をはき、靴下の中にズボンの裾を入れる
・ときどき靴を脱ぎ、山ビルが入り込んでいないかを確認する
・山ビル専用の忌避剤を衣類にスプレーする
・キャンプの際は、テントの周りに専用の殺ヒル剤をまく
山ビルが吸血していたら、躊躇せずにはがして下さい。ライターの火を近づけたり、虫よけ剤をスプレーするとはがれ落ちやすくなります。
そして出血を止めるため、傷口からヒルジンなどの物質を押し出し、水で洗い流して下さい。
止血をすることができたら安心して大丈夫ですが、もし血が止まらない様でしたら
普段ご利用になられている診療所や病院などの医療機関(かかりつけ医)を受診していただき、医師の診断を受けてください。
山ビルの知識をふまえて対策をとり、楽しいゴールデンウィークをお過ごし下さいませ!