エネルギーのリサイクル『回生ブレーキ』
2009-02-20 [記事URL]
▼詳細
『回生ブレーキ』って、何でしょう?
従来の電車のブレーキは、圧縮空気の力を利用して、車輪を制輪子で押さえつけて停車していました(空気ブレーキ)。その時、電車が走るという『運動エネルギー』は、『熱エネルギー』に変換され、空気中に放たれます。
物理学には『エネルギー保存の法則』というものがあります。「エネルギーは、全体として増えもしなければ、減りもしない」というものです。つまり空気ブレーキを使用して停車した場合、『電気エネルギー』を使用して得た『運動エネルギー』は、『熱エネルギー』へと姿を変え、空気中に捨てられているのです。
そのエネルギーを有効活用しようと開発されたのが、『回生ブレーキ』です。
電車が駆動する為の電動機は、発電機として使用する事が可能です。その為、ブレーキをかける時に、発電機として稼動させる事で、従来空気中に捨てていた『熱エネルギー』を、『電気エネルギー』として再利用する事が出来るのです。
電車がブレーキを使用すると電動機が発電機へと切り替わり、電気を作り出して架線へと返します。この電気を他の電車で使用したり、変電所の電力回生用インバータ装置で直流から交流に変換し、駅やトンネル内の照明等に有効利用されます。
その効果は、回生ブレーキを全車両に備え、電力回生用インバータ装置を設置し、実施されると全体の40~50%の電力が再利用可能になります。
従来に比べて、約半分の電気使用量で活動できる訳です。
モノだけじゃなく、エネルギーさえもリサイクルしていかなくては、いけない時代なんですね!!