07’参院選 温暖化対策 ~どこまで本気か見えてこない~

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07’参院選 温暖化対策 ~どこまで本気か見えてこない~

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事の重要性からみると当然、参院選の争点になってしかるべきにもかかわらず、盛り上がりに欠けているのが地球温暖化対策である。

今年6月の主要国首脳会議では「2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を半減させることを検討する」との合意文書がまとまった。来年の北海道洞爺湖サミットでも温暖化は主要テーマだ。

温室効果ガスの排出を抑えた「低炭素社会」の実現は急務である。そこで鍵を握るのは、どのような政策を打ち出せるかである。

短期的には、京都議定書の目標達成への取り組みが必要となる。日本は08~12年に温室効果ガスを90年比で6%削減する義務があるがめどがたっていない。

自民党の選挙公約が目標達成の手段として掲げるのは「国民運動」の推進だ。環境に配慮した行動に応じてポイントがたまるエコポイントの実施や、クールビズの定着、サマータイムの検討などを挙げ、「1人1日1㌔㌘」の二酸化炭素削減を目指すという。排出権取引や炭素税など産業界に影響を与える政策には触れていない。

国民運動自体は進めるに越したことはないが、これで目標達成ができるとは思えない。人々のライフスタイルやビジネススタイルの根底にある社会構造そのものにメスを入れる覚悟がなければ、真の低炭素社会はおぼつかない。

一方、民主党のマニュフェストは、日本の温室効果ガスを2020年までに90年比で20%削減、50年めでに50%削減という中・長期目標を掲げる。削減の手段として国内の排出権取引市場の創設や、地球温暖化対策税の導入も挙げる。風力、太陽光、バイオマスなどの再生エネルギーの割合も20年までに10%引き上げるという。

自民党に比べると、具体的な数値目標ではある。しかし、排出権取引や温暖化対策税に対する産業界の反発を克服しつつ、削減をそう具体化していくかの道筋は見えてこない。

結局、本気で社会を変える気概や戦略が各政党から伝わってこない。だからこそ、争点にならないのだと思われるが、これは政党側だけの問題ではない。国民の側にもその覚悟がないことを示しているのではないか。

原発の位置づけも気になる。二酸化炭素をほとんど排出しないことから、原発には世界的な追い風が吹いている。自民党の公約にも、科学技術と原子力による環境・エネルギー問題の克服や核燃料サイクルの早期確立が盛り込まれている。民主党は、再生可能エネルギーや天然ガス、石油などとともに原子力もエネルギー安定供給の手段の一つとして挙げているが、原発政策は明確ではない。

新潟県中越沖地震では、地震に対する原発の脆弱さが浮き彫りになった。日本の原発は常に地震のリスクと隣り合わせである。安易に原発に頼らない低炭素社会の姿を描くべきだ。



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