防災の日 天災は予想を超えて来る

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防災の日 天災は予想を超えて来る

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今年もまた9月1日の防災の日を迎えた。

「天災は忘れたころにやって来る」という名言がある。自然災害の防災対策には、長らくこの精神が生かされてきたが、「天災は予想を超えてやって来る」と言い換えるべきではないか。

近年の雨の降り方などを見ていると、つくづくそう思う。先週末に日本列島を襲った記録的豪雨は、すごかった。

東海や関東を中心に、がけが崩れ、道路が冠水し、家屋も浸水して、列車が脱線した。雷も鳴った。そして人命も失われた。

多くの地点で観測史上最多の雨量が観測された。愛知県岡崎市では1時間に146・5ミリ、24時間では300ミリを超えた。

1時間雨量が80ミリ以上となった所も少なくない。30ミリを超えるとバケツをひっくり返したような降りになり、50ミリでは滝のような雨となる。80ミリでは息苦しさを覚えるほどの圧迫感があるという。

そうした豪雨が広い範囲で降って被害をもたらしたのだ。

日本では激しく降る雨の発生回数が明らかに多くなっている。50ミリ以上の雨で比べると、最近の10年間は、20~30年前の1・5倍もの増え方だ。

背景には、地球の気候システムで進行中の温暖化の影響が働いている。そのため、台風の大型化などをはじめ、気象の激甚化は将来も続く。年を追うごとに風水害は猛威を増していくだろう。

それに対して、国内では都市への人口集中と地方での過疎・高齢化という両極現象が進む。現代社会は、自然災害に対して次第に脆弱(ぜいじゃく)さを増しつつある。

都市住民の間では体験の共有や共助が難しくなり、地方では防災に力を発揮してきた消防団と水防団の衰えが目立つ。

日本学術会議は、今年まとめた水災害に関する提言で「災害免疫力」の視点を強調した。

防災の基本は自助である。危険を告げる注意報や避難勧告には敏感でありたい。環境の変化や開発で、予想もしなかった規模の災害が起こる時代となっている。

海溝型の巨大地震もこれまでの予想を超えることが懸念されている。東海・東南海・南海の3地震が同時に起きる可能性があるからだ。東海地震のみとは比較にならない被害をもたらすことになる。国も自治体も個人も、改めて災害への心構えを強化したい。



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