バッテリー1本で富士山へ行ってみる

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バッテリー1本で富士山へ行ってみる

「電動自転車なら、坂道も楽勝でしょ。」
そんな軽い気持ちから始まった今回の計画。
目的地は、なんと御殿場口新五合目。
しかも、使用するバッテリーは……
15.8Ah、1本。
そう。
「途中で充電すればいいじゃん」という、文明の利器を最大限に利用した作戦である。

まずはバッテリーを温存する
平塚・山下を出発して、国府津方面へ。
ここは比較的平坦な道なので、電動アシストは……
使わない。
電動自転車なのに、電源OFF。
もはや普通の自転車である。
約35km走っても、
バッテリー残量100%。
「これは余裕じゃない?」
この時点では、誰もがそう思う。

そして徐々に始まる「富士山への現実」
726号線、76号線を経由して、御殿場方面へ。
ここから少しずつ坂が増えてくる。
ここで満を持して、
オートエコモードON。
100%あったバッテリーを、70%まで贅沢に使う。
「30%も使っちゃった!」
……と思うかもしれない。
しかし、今回の計画には秘密兵器がある。

コメダ珈琲店。
そう。
充電である。
約1時間半の大休憩。
コーヒーを飲み、何かを食べ、スマホをいじりながら、
自転車には一生懸命充電してもらう。
そして、
70% → 100%。
完全復活。
人間も充電。
自転車も充電。
ここまで来ると、もはやコメダが今回の旅の中継基地である。

ここからが本番。
御殿場口新五合目まで、約13km。
距離だけを見ると、
「13kmなら大したことないじゃん。」
と思う。
しかし問題は距離ではない。
標高差、約1,000m。
ここから先は、
「電動自転車って最高!」
という旅ではなく、
「電動自転車のアシスト、ありがとう。」
という感謝の旅になる。
ギアは一番軽く。
速度は無理せず8km/h前後。
立ち漕ぎは極力しない。
そしてバッテリーは……
100% → 0%。
全部使う。
出し惜しみなし。
人生と同じである。
……いや、人生でバッテリーを使い切ってはいけない。

そして五合目へ。
なんとか登り切った頃には、
自転車のバッテリーは0%。
人間の体力も、
たぶん0%。
でも、目の前には富士山。
「来てよかった。」
きっとそう思う。
そしてここからは下り。
バッテリーは0%でも問題ない。
なぜなら、
重力という最強のアシストがあるから。

ただし、下りは「ご褒美」ではない。
ここは今回、一番大事なところ。
御殿場口新五合目から御殿場駅までは激しい下り坂。
漕がなくてもスピードが出る。
つまり、
「電動アシストいらないじゃん!」
となる。
しかし、ここで調子に乗ってはいけない。
登りで酷使したのは人間。
下りで酷使するのは、
ブレーキ。
ブレーキの過熱には十分注意する。
長い下りでは無理にスピードを出さず、必要に応じて安全な場所で休憩。
「速く帰る」より、
「ちゃんと帰る」。
これが今回の最重要ミッションである。

そして帰りは約47km。
御殿場駅から平塚へ。
バッテリーは……
0%。
「大丈夫なの?」
大丈夫。
……たぶん。
帰りは下り基調の区間もあるので、電動アシストなしでも走れる。
ただし、行きで脚を使い果たしていた場合は、
「バッテリーより先に人間が終わる」
という可能性もある。
今回の最大の敵は、
バッテリーではなく自分自身かもしれない。

この旅に必要なもの
防寒着。
雨具。
ライト。
モバイルバッテリー。
補給食。
水。
工具。
そして何より、
「無理しない」という強い意志。
9月上旬でも五合目はかなり冷える可能性がある。
特に下りは体感温度が一気に下がる。
行きは汗だく。
帰りは極寒。
自転車旅とは、
なかなか忙しいスポーツである。

最後に
今回のテーマは、
「15.8Ahのバッテリー1本で、平塚から富士山五合目まで行けるのか?」
である。
途中でコメダに寄って充電するという、
非常に現実的で、非常に人間らしい作戦。
坂道では電動アシストに助けてもらい、
下りでは重力に助けてもらい、
途中ではコメダに助けてもらう。
そして最後は、
自分の根性に助けてもらう。
果たして、
15.8Ahのバッテリー1本と一人の人間は、
富士山五合目を攻略できるのか。
答えは、
走ってみなければ分からない。
ただ一つ確かなことがある。
この旅、
絶対に普通のサイクリングではない。
でも、だからこそ面白い。
さあ、バッテリー100%。
人間も100%。
いざ、富士山へ。
……帰りのことは、
五合目に着いてから考えよう。



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