人の皮膚寄生するヒゼンダニについて

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人の皮膚寄生するヒゼンダニについて

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皆様こんにちは。
12月に入り、急に冷え込んできました。乾燥していると風邪を引きやすくなるので、乾燥対策をしっかりしましょう。

さて、今回は主に老人ホームなどで感染する、ヒゼンダニについて紹介したいと思います。

ヒゼンダニは非常に小さいダニで、肉眼では見えません。疥癬虫とも呼ばれ、皮膚の角質層内に寄生して疥癬という皮膚感染症を起こします。

洋ナシ型の体(顕微鏡下では円形に見えます)に短い4対の脚があり、腹部には横に走るひだが、背部には多数の短いとげのような突起があります。卵から幼虫、若虫を経て成虫(雄、雌)となります。

幼虫、若虫は皮膚のくぼみや毛穴に入り込み、穴を掘って隠れています。ダニには雄と雌がいて、交尾後、雄は死にますが、雌は皮膚の角質層内にトンネル(疥癬トンネル)を掘り、毎日2~3個ずつ卵を産み続けます。

卵から孵化し、幼虫、さらに成虫となり卵を産むまでの一世代の長さ(ライフサイクル)は10~14日です。人の体温が最も生活しやすい温度で、人体から離れると動きが鈍くなり、 16℃以下では動けなくなります。

疥癬に感染後、約1~2ヵ月の潜伏期間をおいて発症します。きわめて強いかゆみを伴い、皮膚症状は丘疹、結節、疥癬トンネルがあげられます。特に疥癬トンネルは疥癬だけに見られる特有なものです。

疥癬トンネルとは、主に手首、手のひら、指間、指の側面などにできます。また、寝たきりの高齢者や乳幼児では足にも発症します。

ヒゼンダニはこれらの部位にたどりつくと、角層内に体を潜り込ませた後、水平に掘り進みながら前進し、後方に卵や糞を残します。

幅は約0.4mm、長さは掘り始めてからの時間にもよりますが、多くは長くて5mm程度といわれています。トンネルの天井にあたる部位には等間隔に約0.2mmの穴があいています。トンネルの先端部には産卵中の雌成虫が潜んでいます。

感染経路としては、人と人との接触がほとんどで、寝具・衣類などから感染することもあります。集団生活が行われている高齢者福祉施設や養護施設などでは、集団発生の危険性もあるので注意が必要です。

感染拡大予防のためには早期発見が重要で、疥癬が疑われる場合は早期に皮膚科に検査を依頼すること、さらに一人の患者が見つかった場合、患者の家族や同じところで寝泊りした人など、無症状者にも検査を行うことが必要となります。

予防としては、感染した人に接触した場合は、まめに手を消毒石鹸で洗って、皮膚の清潔を保ちます。

寝具や着衣についているヒゼンダニについては熱湯消毒によって駆除します。ベッド周りやトイレなど皮膚片が落ちやすいところには、ピレスロイド剤のエアゾールを噴霧します。

感染しないためにも、身近なものからの対策が重要になります。
シーツ、下着、洋服などは毎日とりかえ、洗濯する時には、まずは50℃のお湯に10分間つけるといいでしょう。そして部屋の掃除を毎日電気掃除機で行いましょう。



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