2025年3月号:知って得する ネズミ対応の基礎知識
2025-03-01
知って得する ネズミ対応の基礎知識
ネズミの習性
基本的に夜行性で、家屋内では人が寝静まる頃に活動を開始しますが、安全だと判断した場所では、昼間でも活動するようです。
ネズミは寒さに弱いため、冬期や夜によく侵入してきます。住み付いて、ずっと家の中で生活すると思われがちですが、
ほとんどの場合、屋内と屋外の出入りを繰り返しています。行動範囲は、半径10数メートル(隣2から3軒程度)と言われています。
基本的に雑食です(ドブネズミは動物質、クマネズミは植物質を好む)。一日に体重の約10分の1から4分の1程度の餌が必要ですが、
胃袋が小さいため、しょっちゅう食べていなければなりません。餌がなくなると寒いときで1日、暖かいときでも4から5日で餓死します。
一日に0.5ミリメートルずつ伸びる歯を削るため、堅いものをかじります。また、隙間を広げ通りやすくするためにもかじります。
ドブネズミは土中に穴を掘って、またクマネズミは人目に触れない狭い場所などに、紙やビニール、布きれなどを持ち込んで巣を作ります。
ネズミによる被害
衛生上の被害
ペストなどの感染症を媒介するイメージがありますが、幸い現在日本ではネズミが媒介する危惧すべき感染症の流行はありません。
むしろ、サルモネラなどの食中毒菌や雑菌を持ち歩いているため、台所など食品や調理器具などの汚染には気をつけなければなりません。
寄生虫による被害
ネズミの体や巣には、イエダニという吸血性のダニが寄生しています。ネズミが死んだり、いなくなるとはい出てきて人間をねらうことがあります。
イエダニに刺されると湿疹とともにしつこい痒みを起こしますが、人間に寄生することはなく、一時的なことがほとんどです。
イエダニ自体は、壁や床の表面を歩き、殺虫剤にも弱いため、蒸散剤などで駆除できます。
家屋等の被害
柱、扉、壁、家具などをかじるほか、電気のコードやガスホースをかじることもあります。
そのために漏電や火災、電話の不通、ガス漏れなどの被害をひきおこすことさえあります。
精神的被害
天井裏を走ったり、ものをかじる音、知らない間に糞がある、姿を見ただけ、などでも不快感や恐怖感があります。
人によっては不眠症やノイローゼになることもあります。
被害を防ぐためには
ネズミによるこれらの深刻な被害の大半は、家屋内にネズミを侵入させなければ防ぐことができるものです。
捕まえる、殺すよりも「侵入防止」をまず第一に考えましょう。