2016年9月号:季節のムシ暦~夏休みのムシ達~
2016-09-01
構想マンション群の中にある、小さな公園で幼童が、「虫籠」を肩にし、
補虫網を両手に構えて、草叢をヂーットうかがって居た。
今、子供達がどんな虫をねらい、捕えるのかは不明だが、私達の子供の頃には、
キリギリスであった。
暑い夏の昼の日中に、汗をたらしながら、ギース・チョン、ギース・チョンと鳴く、
この虫を追ったものだ。
しかし、この虫は、声はすれども、潜み場所が判らず、なかなか姿を見せないのだ。
したがって此の虫を捕えるにのは、子供なりに、かなりの工夫と努力が、必要であった。
それでも、子童仲間の秘伝の手法があった。これは、細長い竹竿の先に、胡瓜(キュウリ)
を串刺しにして、この竿を鳴き声のある草叢に、そろりと差し込み、これを齧りに来るのを
捕えると云うものである。
この手法は、言うなれば、誘引・捕獲と云う高等な手法なのである。これは、確かに、
理にかなった手法だが、私には成功した記憶が無い。
それでも、一生懸命に虫を生け捕る努力を重ねたものだ。今日のように、身近に遊び道具が、
無い時代なので、それなりに楽しんだものである。
たかが、キリギリスと云うなか、この虫は、江戸時代には、鳴く虫として、
店頭で売られていた、価値のある虫なのだ。
今では、夏休みの宿題のための虫で、昔の価値観と大きな違いがあるようだ。
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