2016年5月号:季節のムシ暦~生活の場の害獣、ネズミ退治~
2016-05-11
生活の場の「ペスト」と云えば、私達は、なんとなくハエ、カ、ゴキブリ、ノミ、シラミ、ナンキンムシ(トコジラミ)などを思い浮かべる。
だが、本当に厄介な動物は、人と生活の場を共にする「ネズミ」なのである。
それでも、今日、住宅の天井裏を「ネズミ」が走り廻ったり、家具などを齧る音などを耳にすると云う光景は、めっきり少なくなったと思う。
しかし、現実は、「ネズミ」の害は増える事があっても、減ることは無く、害の悪質性を増している。
今日、ネズミがもたらす怖い病気と云えば、「サルモネラ」由来の食中毒だけでは無く、聞きなれない「ジカ熱」と云う病気が、話題になっている。
この「ジカ熱」と云う病気は、「ウイルス」が病気体であるが、このウイルスは、もともとネズミの持つウイルスである。
怖い病気の背景には、常に「ネズミ」が登場し、その役割の大きさを示している。
このように、「ネズミ」は、病原菌や寄生虫などの巣窟、百貨店で、昔も今も人にとって、許し難い「害獣」なのである。
さて、このような「ネズミ」とは、どんな動物なのか、その辺の事情を紹介して置きたい。
ネズミと云う小動物は、分類学的には、齧歯目(ケッシ)のネズミ科に属する一群で、繁殖力の旺盛な動物である。
その中で、人間の住環境周辺で問題になるのは、クマネズミ、ドブネズミ、それにハツカネズミである。
まれに、山野で活動する「ハタネズミ」と云う野外種が、家屋内に侵入し話題になることがある。これは、あくまで迷入種であって、駆除の対象にはならない。
では、ネズミの一般的な生活史であるが、それは、通常、妊娠期間が21日程度で、一匹の雌ネズミは、年間に5~6回産仔する。
これは自然環境下では、3月から6月にかけてが多く、出生後、2ヶ月で成熟し産仔能力を持つようになる。
なお、ネズミは、産仔能力は高いものの、各種の要因で幼獣のうちに80%前後が死亡するようだ。
そんな事で、一年も生存するのは産仔数の5%前後で、2年も3年も生存するのは1%に満たないと云われている。
しかし、小空間で活動が出来、環境適応性も高く、どんな所にでも棲むので厄介だ。
食性は、他の動物に比較して、非常に雑食性で広範囲にわたる。しかし、主として未加工の植物質、加工植物質のものを摂食する。
例えば、穀物、甘藷、根菜類、果菜類、菓子、チョコレートなどを摂食する。
その他、動物質のものでは、昆虫類、鳥類の卵、魚の干物、植物の油、チーズ等、なんでも食べるようだ。
特に、人間の食べるものは、良好なる栄養源となるため好んで摂食する。
しかし、ネズミは警戒心が強く、特に餌を採る場合は、用心深い。新しいものには異物反応(恐怖や嫌厭の行動など)を示す。
続きはこちらで →→→ FCCニュース2016年5月号