百日咳について
皆様、こんにちは!
本当に暖かな日も増えて参りましたね。桜の開花時期も迫っております。春が待ち通しい、
そんな今日この頃でございます。
さて、今回はそんな春先に少し注意したい感染症のお話をさせて頂きたいと思います。そ
の感染症とは「百日咳(ひゃくにちぜき)」です。百日咳とは、百日咳菌という細菌による
呼吸器の感染症です。一年を通じて発症しますが、春先に少し感染者が増えるそうです。
「百日咳菌」が気道に付着すると、“百日咳毒素”を作りだし、激しい咳の発作を起こして
しまいます。百日咳菌は非常に感染しやすい細菌で、くしゃみや咳をした時に飛び散る飛
沫感染や、接触などで広がる接触感染で、どんどんと広がっていきます。
感染してから発症するまでの潜伏期間は、だいたい5~10日間。最大でも3週間程度にな
ります。百日咳は、従来子供の病気という印象でしたが、近年では大人(成人)の感染者も
増えており、約半数以上の患者が大人(成人)という事で、子供の感染者を上回りました。
ですが、大人の感染の場合、症状が重症化する事はあまりなく、長引く咳が唯一の特徴に
なることが多いようです。また気づかぬうちに自然と治まってしまう場合もあり、むしろ
大人から子供への二次感染が問題となっています。
百日咳の症状は、まず潜伏期間を経て症状が現れてきます。潜伏期間のあと、カタル期(約
2週間)が訪れます。この時期は鼻水や咳などの軽い風邪のような症状が現れ、次第に咳の
回数が増えていきます。
カタル期の初めが最も感染力が強いと言われており、注意が必要です。次に、痙咳期(けい
がいき)(2~3週間)です。短く激しいコンコンコンという咳が連続して起こり、その後ヒ
ューヒューという音を伴いながら苦しそうに息を吸う咳発作を繰り返します。
また、痙咳期の症状なのですが、夜間に咳が出る、熱は出ない、咳のしすぎで嘔吐する、
黄色い痰が出る、顔面紅潮、目の充血、鼻血が出る、息苦しさで皮膚が青くなる、などの
症状を伴います。
そして、回復期(2~3週間)になると、徐々に咳も治まってきます。このように、最初の咳
から咳が出なくなるまで、約3ヵ月程かかるため、昔から「百日咳」と呼ばれてきました。
大人でも、咳が続くと体力を奪われますが、子供が感染してしまうと大人よりも症状が重
く出ますので注意が必要です。
特に乳幼児は重症化した場合、ひどい咳が出て、ときには死に至ることもあります。また、
肺炎や脳症などの合併症も起こしやすいので、とても危険な病気です。十分に注意しまし
ょう!
予防としましては、まず第一に予防接種を受ける事が非常に効果的だと言われております。
四種混合(DPT-IPV)ワクチン、または三種混合(DPT)ワクチン(いずれも定期接種、不
活化ワクチン)があります。
生後3か月から4週間隔で3回受けると予防効果が高くなるそうです。ただし、大人の場
合は、大人用のワクチンが認可されていないそうで、予防接種は打てないかと思います。
ですから、大人の予防策としては、手洗いうがいの徹底が一番だと思います。
また、感染者が近くにいる場合は、マスクをして飛沫感染を防ぎましょう!しっかりと、
予防をして大人の皆さまも、お子様も百日咳に感染しないように、気を付けましょうね!