害虫も気候変動の一因、国際会議参加で駆除業者が見解
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タイのバンコクで開かれた世界害虫駆除会議で、タイ害虫駆除協会会長が、シロアリなどの害虫は「温暖化の主要因の一つだ」とする見解を述べた。
同会議はバンコクのホテルを会場に隔年で行われるもので、今回はインドネシア、フィリピン、シンガポール、マレーシア、タイの600人以上の害虫駆除業者および昆虫学者が集まり、13日から15日の3日間、最新の害虫駆除技法や駆除剤に関する情報交換が行われた。害虫駆除産業はタイ単独で08年、35億ドル(約3900億円)の市場規模を見込んでいる。
今回の会議では業界の枠を超え、地球規模のメッセージが発信された。「昆虫が気候変動の一因となっている」という警告だ。
タイ害虫駆除協会のSuchart Leelayuthyotin会長は、「すべての虫たちは自ら二酸化炭素(CO2)を排出している。木を食べ消化する際に”おなら”をするからだ」と説明する。「世界の温度が1度上がるごとに、虫たちの世代交代は早まる。交代が早まるほど虫全体の生息密度は高まる」ともいう。
一方、駆除会議と平行して、「飼い主」への賞金1万バーツ(約3万3000円)をかけて「ゴキブリの王様」と「シロアリの女王」を競うコンテストも行われた。優勝したゴキブリは体長4.2センチ、シロアリは7.1センチもあった。ゴキブリは1週間前にクアラルンプールの女性が見つけた「野良のゴキブリ」で、シロアリはタイのパンガー県カオラックにあるタイ軍野営地で掘り出されたものだった。
コンテストには約100匹が持ち込まれたが、Suchart 会長は、「1匹のゴキブリは死ぬまでに600匹の子どもを生むので、このコンテストだけで6万匹のゴキブリを減らした計算になる。シロアリの女王アリにいたっては10万匹もの子どもを生む」と語り、このコンテストも害虫駆除の実践の重要な一環だと語った。