クラゲにご注意
日差しも強くなって、夏真っ盛りですね。
海水浴に行かれる方も多いと思いますが、これからの時期はクラゲが発生してきます。
日本の沿岸には30種を超えるクラゲがいますが、ほとんどは以下の4種類です。
ミズクラゲ…傘の直径15~30cmで、短い触手が一列に無数に並んでいます。おそらく最も
よく見かけるクラゲだと思います。大量発生して気持ちが悪いですが、毒性は強くなく、
刺されても痒みはありますが、ほとんど痛くありません。
敏感な人や大きめのミズクラゲの場合は少し痛いかもしれませんが、そこまで危険度は高くありません。
アンドンクラゲ…いわゆる電気クラゲです。3~3.5cmほどの立方型の傘を持ち、その下に
は4本の20cmほどの長さの触手を持ちます。お盆頃に大量発生することが多く、刺される
とかなり痛いです。
長い触手に特徴がありますが、水中ではこの触手が見づらいので、気づいた時には刺され
ているというケースもよくあります。海水浴客が被害を受ける割合が非常に高く、このク
ラゲが群れを成して押し寄せた場合、海水浴場が閉鎖される事もあります。
アカクラゲ…直径9~15cm以上になる傘に放射状の褐色の縞模様が16本走り、触手は長く、
40~56本に達します。こちらも毒性が強く危険なクラゲです。見た目もグロテスクで、刺
されるとかなり痛いです。
浜に打ち上げられていたり、死んでいたりしても触るのはやめましょう。乾燥すると毒を
もった刺糸が舞い上がり、鼻に入るとくしゃみを引き起こすので「ハクションクラゲ」と
言われています。
カツオノエボシ…約10cmほどの透き通った藍色の浮き袋をもち、海面下に伸びる触手は平
均10m程度、長いもので約50mにも達します。こちらも電気クラゲと呼ばれ、刺されると
強烈な電撃を受けたかのような激痛があり、人にとって非常に危険です。
アナフィラキシー(アレルギー反応の一種)を起こし、ショック死する危険があります。
発生時期ですが、実際には一年中生息しているものの、ポリプ期と呼ばれる子供の状態か
ら“大人”の姿に成長するのがちょうどお盆明け頃になるため、クラゲの被害が多発しま
す。
アンドンクラゲに関しましては、ポリプから遊離するのは、大潮の前後に集中すると言わ
れていますので、水温にも関連があると思われます。必ずお盆に大量発生する訳ではあり
ませんが、この時期に多く発生する条件が重なります。
クラゲは獲物を捕らえるために、この触手に刺細胞があって、この刺細胞の中に「刺胞」
という毒器官があります。刺胞の先に刺糸があって、刺糸を獲物、時には人に突き立てて、
毒を注入するのです。刺糸は刺激を受けると飛び出す感じで刺さっていきます。
刺された時の症状は、患部の腫れ・発赤・ミミズ腫れ・熱感・痛み・水疱(みずふくれ)
形成や嘔吐・発熱・筋肉痛・関節痛・脱力感・麻痺、呼吸や心臓を停止させることもあり
ます。
クラゲに刺された場合の応急処置としては、タオルなどを使ってクラゲの触手を取り除き
ましょう。素手で取り除こうとすると二次的に手も刺され被害が拡大する恐れがあります。
そして海水で洗いましょう。真水で洗うと表皮についたクラゲ細胞から毒針が発射され疼
痛が強くなるため、決して真水で洗わないようにしましょう。
あくまで「応急処置」であり、不安なら無理をせず、医療機関で診てもらいましょう。
折角の海水浴ですから、クラゲに注意し、近づかないことです。
十分注意して、楽しい思い出を作りましょう。