ねずみの恩恵
街中を駆け回る野生のねずみ。
彼らは人間の食べ物を荒らし、壁に穴を開け、そこら中に糞をするなど、私たちの生活を脅かす存在です。
また菌やノミ・ダニを持っているため、衛生的にも良くない存在です。
私たち人間はねずみを”害獣”とみなし、必要であれば駆除をします。
確かに厄介なねずみ達。
直接的に被害を受けた人は少なくないのではないでしょうか。
このような理由により煙たい存在として扱われるねずみですが、彼ら無くして私たちの生活は成り立ちません。
“実験用マウス”または”実験用ラット”という言葉を耳にしたことはありますか?
マウスとはハツカネズミを、そしてラットとはクマネズミを指します。
多くは普段外で見るものと比べ体が白く、赤い眼をしているアルビノと呼ばれる種類です。
彼らは実験動物として、人間の科学のために大きく貢献しています。
マウスやラットがモデル生物として選ばれた理由は、哺乳類でありながら高い繁殖力を持ち、世代時間が短いこと。
寿命は2年程度と短く、飼育が容易であること。
また遺伝子は8~9割が人間と同じであることが最大の理由と言えるでしょう。
人間に存在する臓器や組織もあるため、新薬の開発や病気を解明するために使われています。
実に実験動物の約85%がマウスなのです。
実験に動物を用いることには賛否両論があります。
しかし今まで犠牲になった命に1つとして無駄なものはありません。
私たちはマウスやラットを始めとする犠牲の下で生活していることを今一度再確認し、普段何気なく使っている化粧品、薬、ワクチン、シャンプー・リンス、食材などの日常生活に欠かせない様々な物に感謝する必要があるのではないでしょうか。