2016年7月号:季節のムシ暦~虫達の活動シーズンがやってきた~
2016-07-07
暦も6月、〝水無月〟に入り、水郷地帯に「アヤメ」が咲き乱れ、景観に〝彩り〟を添えている。
また、四囲の空氣に、なんとなく「シットリ」感を増した気分になる日々である。
こんな事を感じながら、此の稿を進めているが、指を折り、数えてみると、もう100囲を越してしまった。これは、年にすると8年も経ったことになる。
この時の流れの長短は別として、話題の主(ヌシ)を「虫」に限ったが、よくもこんな種子が尽きなかったものだと驚く。
この継続を支えたのは、その時代の風潮によって、虫の問題性が、様変りするからであろう。
ただ、その問題性は、その時代の人の生活様式や都合で定められてしまう。
また、問題にされる「虫」達は、多くは人が、その虫の出易い状況を造り出している。人間とは、なんとも身勝手な動物である。
ところで、人が最も身近で容易に接する「虫」は、何だろうか。生活の場で接する「虫」は、なんと云っても、ハエや蚊であろう。
しかし、この虫達の何処が、何故に悪いのかと問はれると、俄(ニワカ)には、答えられない。
私達の虫に対する認識は、子供の頃からの記憶をたどると、うるさい(五月蠅い)虫、刺咬・吸血による痛い、痒いなどである。
時に、お腹を壊したり、熱を出したりするなど、病氣のどちらに罹っても良いと云う訳ではないが、一般的に恐れられていたのは、〝熱〟の出る方が、嫌はれていた。
私達は、虫に刺されて〝熱〟が出る病氣と云へば、直に思い浮かべるのは、「マラリア」と云う名前である。
この病氣は「蚊」が染すものと教えこまれていたので、蚊と云う虫には、何となく怖さを抱いていた。
しかし、この蚊は、夏の景物で、これが出てこないと夏と云う季節が、やって来なかった。
これは、古典的な「蚊」で、生活様式や環境の変化が、新顔の害虫を増した。住環境の都市化が進み、ビルが建ち並ぶと「チカイエカ」などと云う、新顔の蚊が登場した。
この蚊は、地下街の水素、水洗便所の浄水槽などを発生源とする、新顔の害虫群なのである。
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