HACCPに基づいた衛生状態の維持
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飲食店など食べ物を取り扱う上で、衛生状態の維持は非常に重要です。勿論、害
虫獣や食虫毒の発生予防にも繋がります。しかし、衛生状態の維持と一口に言って
も一体どの様にしていけば良いのか分かりにくい部分もあるのではないでしょうか。
今回は衛生状態の維持に於いて、基準となっているHACCPについてご紹介したい
と思います。
HACCPとは、全ての工程に於いて、予めどの様な危害が発生する可能性を考え
その危害を防止する為の重要なポイントを特定し、継続的に監視・記録していくと
言う衛生管理方式です。
元々は1960年代にアメリカで宇宙食の安全性を確保する為に開発された方式で
日本では1996年5月に食品衛生上の危害発生防止の為に導入・施行されました。
では、具体的にはどのような方法がHACCPに該当するのでしょうか。一般的には
整理・整頓・清掃・消毒・躾という5S活動をベースとし、これに洗浄・習慣を入れる
場合もあります。今回はその中の整理・清掃・消毒を中心にご紹介します。
まずは大掃除です。厨房内の使用していない古い器具、新聞や広告、段ボール等
の紙類、机や椅子など大きなもの、コンテナ、冷凍庫で使用される事が無く保管さ
れたままの食材などは思い切って捨てられる事をオススメします。そうすると、ゴミ
や埃、食虫毒菌が繁殖する原因となる脂肪などの汚れなどが無くなり、食虫毒や異
物混入発生の危険性が低くなります。
次に清掃方法と頻度を決めましょう。此方は既に取り入れているお客様も多いかと
思いますが、大掃除をすると何処がどの様に汚れるかが把握しやすくなると思いま
す。そこで、床や壁、オーブン、フライヤーなど様々な箇所の清掃場所を整理し、毎
日・毎週・毎月・毎年と4つのパターンで清掃をするかを決めてチェックリストにし、実
施して下さい。
最後に加熱・非加熱メニューを分ける事です。加熱が必要なメニューでは、規定の
温度まで加熱し、食虫毒菌を殺菌しましょう。中心温度を75度以上、ノロウィルス
の場合は85度が目安です。また、中心温度計があると食材の中心温度が分かり
やすく確認が出来るのでオススメです。
非加熱メニューに関しては、該当食材の保管場所を分ける点が重要になってきま
す。加熱用の食材から非加熱用の食材へと食虫毒菌が移ってしまう危険性を無く
す為、冷蔵庫内で左側は非加熱用、右側は加熱用とルール決めすると効率よく分
ける事が出来ます。
今回ご紹介した方法は飲食関係に携わるお客様に実践して頂きたい対策となりま
す。是非とも参考にしてみて下さい。