CO2削減、国連で監視
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日本経団連は15日、2013年以降の「京都議定書(ポスト京都)」の地球温暖化防止に向けた提言をまとめ、各国が定めた温室効果ガス排出の削減目標を国連で公約し、その進捗状況や対応具合を国連でチェックする仕組みを打ち出した。政府や与野党、関連省庁に提出する。
日本経団連は主要排出国が参加できる仕組みを作るため、国ごとに削減量を定める総量規制ではなく、エネルギー効率(使用原単位)を指標とするよう提唱。各国が独自策を国連で公約し、削減が不十分な場合の対応などを国連で協議する方式を求めた。
具体的な施策として、産業分野別に国際的な削減目標を定め、連携してエネルギー効率の改善に取り組む「セクトラル・アプローチ」の実施や、削減目標を掲げて取り組む途上国への資金的・技術的支援も盛り込んだ。
京都議定書で排出削減義務を負う国の二酸化炭素(CO2)排出総量は、世界全体の30%程度にとどまることから、日本経団連は「すべての主要排出国が参加できる枠組みが必要」と説明した。
ただ、欧米などが求めている排出量取引(キャップ&トレード)制度については、行政による経済統制になりかねないほか、企業の成長にも製薬となることなどから、日本経団連として引き続き反対の立場を貫いた。