蜂蜜とボツリヌス菌
2017-04-21
少し汗ばむくらいの暖かい日もありますね。すっかり春の到来です!
お花も綺麗に咲いて、ミツバチにとっても忙しい季節の始まりです。
そんなミツバチが集める“蜜”ですが、東京都に住む生後6カ月の男児が3月30日に、
蜂蜜に含まれていた『ボツリヌス菌』が原因の「乳児ボツリヌス症」で死亡したと
4月7日に東京都が発表しました。
通常、母子手帳や蜂蜜食品には、蜂蜜を1 歳未満の乳児には与えないように促す情報が
表示してありますが、ご家族はそれに気づかず、蜂蜜には栄養があると考え、
男児に蜂蜜を混ぜたジュースを1日2回飲ませていたそうです。
ボツリヌス菌に汚染された食品を摂取しても、大人の腸内では、
ボツリヌス菌は他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、通常何も起こりません。
一方赤ちゃんの場合は、まだ腸内環境が整っておらず、
ボツリヌス菌が腸内で増えてしまいます。
(なお、1歳以上の方にとっては、蜂蜜はリスクの高い食品ではないとされています。)
●症状
「ボツリヌス食中毒」と、1歳未満の乳児にみられる「乳児ボツリヌス症」の症状を
簡単にご紹介致します。
<ボツリヌス食中毒>
・8時間~36時間で症状が出現
・吐き気、おう吐
・左右対称に体を動かせない
・視力障害(視力低下、立ちくらみなど)
・言語障害
・えん下困難 (物を飲み込みづらくなる)
<乳児ボツリヌス症>
・便秘状態が数日間続く
・全身の筋力が低下する(脱力状態)
・哺乳力の低下
・顔が無表情になる
・泣き声が小さくなる
いずれも、重症例では呼吸不全などにより死亡する可能性があります。
●対策
ボツリヌス食中毒の場合は伝染する病気ではありませんが、原因と考えられる食品は
周りの方が食べないように注意しなければなりません。
乳児ボツリヌス症を予防するには、1歳未満の赤ちゃんにはボツリヌス菌が混入している
可能性がある“蜂蜜”や“コーンシロップ”、“黒糖”を摂取させないことです。
―いかがでしたでしょうか。
ボツリヌス菌について少しでも理解が深まったら幸いです。
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