虫も大好きな白菜と適切な防除とは
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寒い季節は温かい食べ物や飲み物が恋しくなります。
その中でも鍋料理は冬に食べられる方も多いと思います。
今回は鍋料理の名脇役の白菜について調べました。
白菜はアブラナ科アブラナ属の二年生植物で日本では冬の野菜として広く愛されていますが、元々の原種はトルコなどにおいて現在も見られる野性の菜の花であるB・カンペストリスとされています。
日本には江戸時代以前から度々渡来していましたが白菜は強い交雑性の為、品種の保持が出来ず、食材として食べられるようになったのは20世紀に入ってからです。
食物繊維やミネラルが豊富で外側ほど栄養価が高い傾向があり、淡白ながらも甘みと歯切れの良い食感は鍋だけでなく様々な料理に合います。
育てる過程で最も天敵の害虫のひとつにアブラムシがいます。その名が示す様に白菜などの葉物を好み、白菜などのアブラナ科に発生する代表的な種は、モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシです。
その中でもモモアカアブラムシは2月頃から発生しだし、5~6月にピークを迎えます。
アブラムシは群がって寄生し葉の汁を吸うため葉を黄色くしてしまい見栄えが悪くなる他に、モザイク病のウイルスを媒介することもあり防除が欠かせない野菜でもあります。
良い野菜=無農薬というイメージを持たれている方も多いかと思いますが、キャベツや白菜などの葉物は虫は球体の内部に入り込んでしまったり、ナメクジの唾液でズルズルにされたりしてしまいます。また虫に冒された野菜は表面の葉っぱも固くなりあまり美味しくはないそうです。
市販されている野菜は、農薬の濃度や散布回数、収穫前の最終散布日が決められているので、中毒の様な事はまず心配ありません。
また防除対策は農薬だけでなく、ハウス栽培の場合は近紫外線カットフィルムを張って侵入を防いだり、天敵の昆虫を利用するなど方法がたくさんあります。テントウムシ1匹でも、数千頭のアブラムシを減らしてくれるそうです。
害虫はその年の天候などでも発生状況が全く変わります。
店頭できれいで立派な白菜が並んでいるのは農家の方々の努力の賜物になります。
衛生への情報量や環境が向上しつつある昨今では害虫=薬剤ではなく、様々な防除方法から環境にあわせて適切に行う事がこれからの防除には欠かせません。またそういった情報・知識を知っている事で防除につながる事もたくさんあります。
今後とも有益な情報の配信に努めていきますので、よろしくお願いします。