緑化目標に中国同意へ ~20年までに1500万㌶拡大~
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日本など16カ国が参加して21日にシンガポールで開く東アジアサミットが特別宣言を発表し、温室効果ガスを吸収する森林面積を「2020年までに1500万㌶以上拡大する」との数値目標を打ち出し、中国が同意する方針であることが15日分かった。森林拡大は米国も参加した9月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)で2000万㌶拡大に合意しており、その大半を東アジア諸国で担う意思をアピールする。
毎日新聞が入手した「気候変動、エネルギーと環境に関するシンガポール宣言」最終草案では、気候変動がもたらす影響に懸念を示し、地球規模で温室効果ガス削減に緊急に取り組む必要性を強調。影響の最小化や石油・石炭に代わるエネルギー開発での技術・資金協力を訴えた上で、「域内の森林面積を20年までに少なくとも1500万㌶拡大する」との数値目標を明記した。
APECで合意した「エネルギー効率を30年までに25%以上改善させる」との目標については、APECに参加していないインドが強く抵抗しており、サミットで最終的に調整される。
一方、中国の外交関係者は「気候変動について甲隆、協力していける事を強く希望している」として数値目標を容認する姿勢を示した。
中国外務省の于慶泰・気候変動交渉特別代表は毎日新聞などに、10年までの第11次5カ年計画で森林面積を国土の18%から20%に増やす具体案を明らかにした。
中国の温家宝首相はサミットで温暖化に関する「中国の戦略と行動」を表明する。中国は6月に気候変動対策の国家プランを発表しており、これを事実上の国際公約としていく方針とみられる。
森林拡大では東南アジア諸国連邦(ASEAN)が20日に開く首脳会議で「1000万㌶以上の拡大」を打ち出す。