様々な食中毒の種類
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夏になると食中毒についてのニュースが多くなります。食中毒はその名の通り、食
品が原因となって発症する健康障害ですが、中には重症となり、亡くなってしまうケ
ースも多くあります。
通常、腹痛や嘔吐、下痢など急性胃腸炎が食中毒の症状としてイメージされると
思います。しかし、中には胃腸などの消化器症状は現れず、神経麻痺を主な症状
とする菌もありますので、消化器症状でないから食中毒ではないと判断するのは
大変危険です。
食中毒は感染型と毒素型の2種類ありますが、その媒介となる原因は大きく3つ
に分けられます。まず微生物が食品に混入して発生する細菌性食中毒。次にフグ
やキノコなどの動物性や植物性の自然毒によって発生する自然毒食中毒。最後
にメタノールやヒ素、シアン化合物などの化学物質による化学物質食中毒があり
ます。
日本で発生している食中毒の殆どが微生物を原因とする細菌性食中毒になりま
す。細菌性食中毒にも感染型と毒素型の2種類のタイプに分けられ、魚介類が
原因食品となる腸炎ビブリオや、家畜などの腸管にいるサルモネラ菌、家畜だけ
ではなく人の腸にも住み着く病原性大腸菌が感染型です。
毒素型には人の喉や鼻、傷口などに常在している黄色ブドウ球菌、保存食品が媒
介となるボツリヌス菌、大量に作り置きした煮込み料理などが原因となるセレウス
菌などがあります。
食中毒が発生した場合、あの食品が原因だと決め付けてしまうと、確かな原因菌
を突き止め正しい処置が出来なくなる可能性があります為、何が原因なのか自己
判断せず、症状などから正しい判断を仰ぎ、適切な処置を行ってもらいましょう。
生活空間には無数の食中毒菌が存在しており、これから気温が高くなるにつれ、活
発化する菌が多くあります。様々な種類がある食中毒を発生させない為にも、食中
毒予防の三大原則である調理器具の使い分け(付けない)や食品の温度管理(増
やさない)、殺菌消毒(殺す)などを是非とも実施して頂ければと思います。