広がるカーボンオフセット
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植林や風力発電など「グリーン電力」の利用、途上国での排出削減プロジェクトなどで発行されるクレジット(排出権)の取得などを通し、上乗せ額分だけ排出抑制対策に協力できる仕組みだ。電力や鉄鋼など大企業が行う排出権取得も、相殺という考え方では似ている。今年6月の独ハイリゲンダム・サミット(主要国首脳会議)も、開催で生じるCO2を相殺した。
一方、個人や中小企業も参加できる小口のオフセットを取り入れたサービスが近年広がりつつある。先行する英国では03年、人気バンド「ローリングストーンズ」が音楽界初の全英オフセットツアーを始めた。観客が1人15ペンス(約36円)を余計に払う事で、コンサートで出るCO2(1人あたり13㌔)を相殺するという。
ブリティッシュ・エアウェイズも05年、飛行で排出されるCO2の相殺額を、乗客が自主的に寄付するサービスを始めた。例えば、成田-ロンドン往復1人分のCO2排出量は約2.17㌧、相殺額は16.24ポンド(約4