夏場の食中毒
毎日こう暑いと、食材がダメにならないか心配になりますね。
そこで今週は、「食中毒」についてご紹介します。
食中毒は季節を問わず発生しています。
特に梅雨から夏にかけては、細菌が繁殖しやすい高温多湿の日が続くため、
食品に付着した細菌は大幅に増殖します。
大量の菌が付着した食物を口にすると、菌そのものや菌が産生した毒素が体内に入り、
食中毒が引き起こされます。
■夏場に注意を要する食中毒の〝起因菌〟
〝起因菌〟は以下の通りになります。
・カンピロバクター
・サルモネラ
・黄色ブドウ球菌
・腸炎ビブリオ
・腸管出血性大腸菌(O-157)
冬に流行するノロウイルスは、細菌数については減少しますが、夏場にも発生事例があり
ますのでくれぐれもご注意下さい。
食中毒原因菌の種類を見ますと、以前は腸炎ビブリオ、ブドウ球菌、サルモネラ属菌が
三大食中毒としてあげられていましたが、最近では、カンピロバクターやノロウイルスが
増加しその種類も変化していますので、それぞれの食中毒菌の特徴を知り、
予防をする事が重要になります。
■〝食中毒〟の予防
食中毒を防ぐためには、皆様よくご存知の「食品衛生の三原則」を守ることが基本です。
「食品衛生の三原則」
(1)菌をつけない(清潔)
(2)増やさない(迅速)
(3)やっつける(加熱・冷却)
それぞれの段階で注意していくことが大切です。
(1)菌をつけない ~洗う!分ける!~
手にはさまざまな雑菌が付着しています。
食中毒の原因菌やウイルスを食べ物に付けないように、
次のような時は、必ず手を洗いましょう。
・調理を始める前
・生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
・調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後
・おむつを交換したり、動物に触れたりした後
・食卓につく前
・残った食品を扱う前
また、生の肉や魚などを切ったまな板などの器具から、加熱しないで食べる野菜などへ
菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。
加熱しないで食べるものを先に取り扱うのも1つの方法です。
焼肉などの場合には、生の肉をつかむ箸と焼けた肉をつかむ箸は別のものにしましょう。
食品の保管の際にも、他の食品に付いた細菌が付着しないよう、密封容器に入れたり、
ラップをかけたりすることが大切です。
(2)増やさない ~低温で保存する!~
細菌の多くは高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりと
なり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。
食べ物に付着した菌を増やさないためには、低温で保存することが重要です。
肉や魚などの生鮮食品やお総菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
なお、冷蔵庫に入れても、細菌はゆっくりと増殖しますので、冷蔵庫を過信せず、
早めに食べることが大事です。
(3)やっつける ~加熱処理!~
ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅しますので、肉や魚はもちろん、野菜など
も加熱して食べれば安全です。特に肉料理は中心までよく加熱することが大事です。
中心部を75℃で1分以上加熱することが目安と言われています。
また、ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌が付着します。
特に肉や魚、卵などを使った後の調理器具は、洗剤でよく洗ってから、熱湯をかけて
殺菌しましょう。台所用殺菌剤の使用も効果的です。
「食中毒」についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
もし、おう吐や下痢などの症状から「食中毒」が疑われる時は、早めに医師の診断を
受けるよう心掛けましょう。