嘔吐物の正しい処理方法
まだまだ寒い季節が続きますね。
冬は毎年のように、ノロウイルスが原因のウイルス性胃腸炎が流行っており注意が必要です。
飲食店では毎日のようにたくさんのお客様が店内に足を運ばれますが、食事中に体調を崩し嘔吐される場面に遭遇したことはないでしょうか。
嘔吐には、体調不良や飲み過ぎ食べ過ぎ以外に、ウイルス性胃腸炎を原因とするものがあります。
ウイルス性胃腸炎は主な症状として嘔吐、下痢、発熱があり、嘔吐物に対しては正しい対処を行う必要があります。
■嘔吐物は広範囲に飛散する
ノロウイルスが原因のウイルス性胃腸炎は、突然に激しい嘔吐が起きる特徴があります。
そのため、トイレに駆け込んだりビニール袋を口周りに構えることができず、衣服や持ち物、室内を汚してしまうことがあります。
東京都健康安全研究センターの実験によると、嘔吐物を1mの高さから落下させた場合、嘔吐物は半径2メートルの広範囲まで飛散するとのことです。
衣服や靴、カバンなどの持ち物、床や壁、テーブルやイスをはじめとした室内インテリアまで、十分に注意を払うことが必要です。
嘔吐物の処理が不十分のまま放置した場合、嘔吐物が乾燥して細かい粉じんとなり、空気の流れに巻き上げられて、汚染が拡大する恐れがあります。
■嘔吐物処理のポイント
1.換気と消毒の徹底
処理中とその後はしっかり換気をします。
嘔吐物の処理に先立って、消毒用アルコールで手の消毒を行います。
2.嘔吐物をくまなく拭き取る
必ずゴム手袋、マスク、プラスチックエプロンを着用してから、嘔吐物をペーパーで中央に向かって拭き取り、ビニール袋に廃棄します。
嘔吐物飛散の目安は半径2mですので、くまなく拭き取るようにしましょう。
室内インテリアがある場合は、思わぬところまで汚れが飛んでいることが考えられます。
テーブルやイスの裏、靴裏などにも汚れが付着している可能性がありますので注意しましょう。
3.次亜塩素酸ナトリウムで消毒する
次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系除菌漂白剤で消毒を行います。
指定された分量を水で希釈しましょう。
汚染した範囲よりも広めにペーパーを敷き詰めてから、希釈した塩素系除菌漂白剤をペーパーの上から撒いて15分放置します。
4.後処理は念入りに
15分放置したら、一度念入りに拭き取ってから再度水拭きをします。
塩素系除菌漂白剤が残留しないように、しっかりと拭き取りましょう。
最後に手袋やマスク、プラスチックエプロンを表面に触れないように注意しながら外し、ビニール袋に廃棄します。
処理が終わったら、消毒用アルコールで手の消毒を行いましょう。
―いかがでしたでしょうか。
嘔吐物処理が不十分の場合、残された汚染物が原因で感染が広がる可能性があります。
いざというときにすぐに正しく対処ができるよう、日頃からの心掛けが欠かせませんね。