不快害虫アリの駆除の仕方””
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みなさまこんにちは!暑い日が続きますね。最近はゴキブリだけでなく、さまざまな害虫のお問い合わせがあります。特に最近多いのが“アリ”のお問い合わせです。
小さい頃は夏のこの時期に外に出て、アリを観察するのは楽しかったですが、部屋や店内に上がりこんだアリを見て楽しめる人は少ないと思います。
部屋に上がりこんできたアリは不快害虫になるので、今回はお問い合わせが多かったアリの駆除方法についてお伝えしたいと思います。
まずはアリとは、少数の女王アリと多数の働きアリによる集団生活を営む、ハチに近しい社会性昆虫です。世界中の広範な地域で見られ、その多くは地中に巣を作って生活しています。
その殆どの食性は、他の虫の死骸などをせっせと運んで食べる「肉食」ですが、アブラムシの尻から出る甘露や蜜、砂糖に集る「草食」「雑食」のアリもいます。
住まいに出てくるアリとして、私たちの身近なところでは、子ども達にも馴染みの深いクロオオアリです。働きアリは体長10ミリ前後で体の色が黒色なのが特徴です。
このクロオオアリが一番イメージしやすい「アリ」の姿かも知れませんが、鉢植え植物のアブラムシを牧畜してしまうなどの他は、クロオオアリによる住まい周りの被害は然程のものではありません。
体長2~3ミリ前後で黒褐色のトビイロケアリは、クロオオアリよりも身近に見られるアリです。郊外の草原から高層マンションの植木鉢までまんべんなく居ます。時折キッチンの砂糖壷などに群がり人を不快な気分にさせます。ただ、それ以上の被害は特にありません。
そして問題となるアリとは、体長1.2ミリ程度で黄褐色の体が特徴のヒメアリです。近年高層マンションなどを含む一般の住宅内に侵入したり、飲食店等のある都市部のビルなどでも大量発生したりし、人を咬むなどの被害を多くもたらします。
また、全世界に分布を拡大している熱帯原産の外来種であるイエヒメアリ(体長2ミリ強で赤褐色)なども問題となるアリとして挙げられます。
特にイエヒメアリは、甘露以外に人間の体液(医療施設の膿や血液など)に好んで集り、不快かつ衛生的な問題をはらんでいます。院内感染予防の観点でも問題があります。
また人を咬んだり住まいの構造体に入り込んで営巣したり、さらには電気系統に営巣して故障の原因になるなどといった問題をも発生させています。住まいの周りで見たら、注意が必要です。
さて、本題であるアリ駆除ですが、駆除にはアリの性質をうまく利用することが大事になります。スプレー式の殺虫剤などで、目先の隊列を殺虫したところで、巣が存続している限り、後続隊に襲われればひとたまりもありません。
アリ類の駆除には、巣ごと殺虫できる毒餌(食毒剤)式殺虫剤が便利かつ有効です。コンバットやアリの巣コロリなどは、有機フッ素化合物の一種で、昆虫のエネルギー代謝を阻害する作用を持ち、直接食毒した虫のみならず、その糞や遺骸を食べた虫をも殺虫するため一石二鳥なのです。
アリの巣コロリがあまり効果を表さないケースでは、水と糖蜜のほかホウ酸を使用したアリメツが効くことが多いようです。ただいずれの毒餌式殺虫剤を使用する場合にも、ペットや子どもの誤飲・誤食の無いように取り扱いにはくれぐれも注意してください。
巣を根絶するにしても苦労してしまいますので、せめて屋内に上がりこんでしまわないよう家の周りに忌避剤を撒いてみるのもいいでしょう。