やけど虫に注意!
梅雨も明け、夏本番です。
お天気の良い日が続くこの時期、外出する機会が増えますね。
しかし、「虫さされ」にはくれぐれもご注意下さい。
「虫さされ」というと蚊や蜂のイメージが強いですが、実は他にも怖~い虫がいるのです。
その怖~い虫の名前は・・・〝やけど虫〟です。
日本全土に広く分布しているので注意が必要です。
■やけど虫とは
やけど虫の正式名称は「アオバアリガタハネカクシ」。
体長6~7ミリメートルで、細くて小さく、アリに似ています。
頭や尾の先端部、胸の一部などが黒色、他はオレンジ色をしています。
この虫は、梅雨の時期から夏にかけて最も増えます。
川岸や池、田畑、草むらなどの湿った地表に生息しており、北海道から沖縄まで全国各地
に分布しています。
やけど虫の体液に触れてしまうと、やけどをした時のように発疹や水ぶくれが起きて
しまうのが特徴で、発疹や水ぶくれが起こる原因として、
この虫の体液に「ペデリン」という有毒物質が含まれているためだと言われています。
成虫だけでなく卵、幼虫、さなぎもこの物質を体内に持っているため注意が必要です。
ただし、やけど虫は攻撃的ではなく、人の皮膚にくっついてもかむことはないと言われて
います。潰したり、むやみやたらに払い落としたりすると、体液が糸のように付着し、
発疹や水ぶくれが起こってしまいます。
■発疹や水ぶくれが起きた時の対処法
そのままにしておくと約10時間後に、線状の赤い発疹ができ、水ぶくれになるといいます。
先ほどご紹介した「ペデリン」という有害物質に触れると、痛みやかゆみが生じ、
目に入ると激しい痛みを伴い、結膜炎などを引き起こします。
治療では湿疹・かぶれ用のステロイドの塗り薬やかゆみ止めの内服薬を使います。
その際、メントールが入っている虫刺されの塗り薬は患部を刺激するので使わないように
しましょう。
きちんと治療をすれば5~10日ほどで治りますが、水ぶくれがある場合などは
傷痕が残ることもあるそうです。
被害を避けるには、虫の体液に触れないようにすることが大切です。
やけど虫が肌に触れても、素手で潰したりせず、タオルやハンカチなどでそっと払いのけ
ましょう。また、息で吹き飛ばすのも有効です。最後は必ず、水で肌を洗いましょう。
もし体液が肌に付着してしまったら、すぐにせっけんで洗い流すことが重要です。
また、照明の光に誘引されて虫が屋内に入り込むのを防ぐため、夜間は窓を閉めるか、
網戸にするなどして対策をとることも有効なので是非お試し下さい。
それでも気になる場合は、虫よけ剤を網戸に貼ったり、スプレーをして対策して下さい。
やけど虫を駆除する際は、市販の害虫駆除用スプレーを直接吹きかけると有効です。
夏場はやけど虫の他にも、ガの幼虫である毛虫が肌に触れて皮膚炎が起こるケースもあり
ます。半袖・半ズボンなどで散歩や運動などをする際は、虫よけスプレーを活用すること
をお勧め致します。
もし虫のトラブルが起きたら、早めに皮膚科などを受診し、症状を悪化させないよう
心掛けましょう。